公職選挙法の改正内容


公職選挙法の改正内容

公職選挙法の改正内容 2010年に審議中だったネット選挙解禁法案が事実上の廃案となったことは前項で述べました。そこで2012年12月の衆議院総選挙では、多くの候補者が公職選挙法改正を公約に掲げました。自民党の安倍晋三総裁(現在は総理)もネット選挙を解禁すべきと明言し、総理就任後の2013年4月より来る参院選に向けてさっそく法案審議に入ったのです

公職選挙法の改正法案の軸は二つ。従来では選挙運動用の文書図画(とが)の頒布としてビラやハガキの制限が定められていましたが、インターネットを利用する方法による文書図画は別扱いとし、その頒布をOKとすること。具体的には、ウェブサイトや電子メールなどを利用した選挙用文書図画の頒布の解禁、また選挙運動用のインターネット広告の禁止(特例あり)と選挙期日後の挨拶行為の解禁などが含まれています。一方、上記の解禁に伴って、禁止事項を含むさまざまな規定を設け、予想されるマイナス面の対策を講じています。

ネット選挙とインターネット投票(以下ネット投票)は別ですちなみに、誤解のないように確認しておきますが、ネット選挙とインターネット投票(以下ネット投票)は別です。つまり、今回の改正は選挙運動にインターネットの利用を可能とし、かつその指針を決定するものでありますが、選挙の投票そのものは変わらず「アナログ」。つまり、投票所に行き、用紙に手書きして自身の手で投票箱にいれる必要があります。

ここであえてネット投票に触れておくのは、今後は当然この点も議論の対象に出てきてしかるべきだからです。アメリカでは予備選で試験的に導入されましたし、世界を見ればデジタル(電子)投票はすでに始まっているところもあります。インターネットと選挙に関しては、今後も変化していくことが予想されますので、常に注目していく必要があるでしょう。

さて、話が多少脱線しましたが、次項では具体的な改正内容を紹介していきます。

改正に関する論点」では、審議された2種類の案の違いから、ネット解禁の重要な争点を、さらに「できるようになること」では具体的に選挙でできるようになること、できないことをご紹介していきます。