ネット選挙のデメリット


ネット選挙のデメリット

新しいことには、不安材料もつきものです。ではネット選挙によって、予想しうるデメリットも考えてみましょう。

デジタル・ディバイド問題

ネット選挙のデメリット ネット選挙解禁にあたり、「デジタル・ディバイド」という言葉がにわかにクローズアップされています。この言葉の意味は、インターネットなどの情報通信技術を使いこなす人と使いこなせない人の間に生じる格差のことです。もともと現代社会において貧富や教育・機会の差がありますが、このデジタル・ディバイドによる情報量の差によって、さらに社会的な格差が拡大し、固定化することが問題となっているのです。日本ではインターネットの普及率が高いですが、一般的には若年層と、高齢者や社会的弱者に格差が生じることが考えられます。また、候補者にとっても、ネットを使いこなす者が有利になる可能性もあると言われています。

インターネットの悪用の問題

現代社会において、インターネットの悪用は個人の悪戯レベルから、国家的な犯罪まで広がっています。ネット選挙においても、その恐れは十分にあります。例えば、候補者のホームページが悪意をもって書き替えられたり、ツイッターなどで本人になりすまして、本人にとって悪影響のある発言をしたりする可能性があります。また、インターネットを利用して、例えばホームページの訪問者に対して特典やサービスを与えるシステムを作ったりすれば、それは買収にもつながる恐れがあります。このような行為は、インターネットにおいては、従来の選挙運動に比べて飛躍的に簡単にできるようになっており、その対策が求められています。

第三者の選挙運動の問題

第三者の選挙運動の問題 今回のネット選挙解禁では、候補者や政党以外にはメールを利用した選挙運動が認められていませんが、その他のウェブサイト上では、一般の有権者の選挙運動が認められます。インターネット上には、口コミによる全く根拠のない噂があたかも真実のように流布することも珍しくありませんし、第三者が無責任に発言したことが、候補者に悪影響を与える可能性もあります。悪意をもった誹謗中傷や虚偽情報に対して、一般の有権者は区別しづらいのが現状ですので、本人がそれに対して迅速に否定するなどの対応が求められます。

バナー広告の問題

今回の改定では、インターネットの有料広告に関しては、政党のバナー広告のみ認められました。さらに、その費用に関しての上限もありません。つまり、資金力の豊富な政党は、優良サイトに高い広告料を払ってバナー広告を掲載し、一方、無所属で資金力の弱い候補者は、バナー広告を出すこともできません。当然、その差は出てくるでしょう。